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「きんじ」

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名前の由来
私を和骨董の世界に導いてくれた職場の友達「きん」と、私「かわじ」
から付けた名前です。

もともと和骨董が好きだった「きん」が職場に「別冊太陽-骨董を楽しむ」と言う雑誌を
持って来て色々な話を聞きました。それから私も興味を持ち始め、
あれよあれよとすごいスピードで和骨董の世界に入って行きました。
当時は着物(布)よりも、生活骨董(食器や古民具)を中心に
骨董屋をはしごして、骨董市に毎週末出掛け、
時には、地方の骨董市に行くついでに、その町のタウンページに載ってる
すべての骨董屋さんの印を地図に付けて廻った事もありました。

「何故 古布なのか」

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ある日、「きん」がおばあさんにもらった着物で洋服を作ると言い出し、
出来上がったのを見て、一瞬、将来が見えた気がしました。
ファッションを模索していた私たちにはドンピシャな発想でした。
それから布にも目を向け出し、
家の隅にあった家具調ミシンを広げ、作っては自慢げに職場に着て通っていました。
ブラウスが主でしたが、ワンピースやズボンも作って。
総裏付きのワンピースを作った時はまるで数学でした、
ひっくり返すんだから、でもこっちが前だから。。。どうやって縫うんだetc。
出来上がったワンピースはそのうちキャミソールになり、最後は小物に変わりました。
大往生です。
最初は簡単なポーチとか巾着とか作ったのですが、
図面書きの仕事をしていた関係で、作りたいそして私にでも作れるレベルの
チャック付きのポーチの型紙をCADデータで起こして、実際作ってみた所
「天才っっっっっ」でした。

すでに充分な大人でしたが、夜は一緒に寝ました。
このポーチが出来上がった時に、
「これで食べて行ける」と根拠の無い確信をしました。

そしてかばん。
手で持つ事も出来て、リュックにもなり、ウェストにも着けられる、誰もがうらやましくなる。
と言った感じの物に挑戦しました。
そんな型紙は売っていないので、かばん屋さんに行っては自分で出来そうな形のリュック
をまじまじと見て覚えて型紙を起こして、出来ないとまた別のかばん屋さんに行って物色し
ついに出来上がりました。
100万円出されても譲れないなっ。と満足な出来でした。
何年もの間、会社に、旅行に使い続け、生地はボロボロになり、チクチク当て布の日々でした。
が、
あまりにも可哀想な状態になったので、引退させてあげました。
今は店に飾ってます。

作った物が出来上がった時は本当にワクワクして、「やっと好きな物に巡り会えた」って感じで、
幸せな気持ちになりました
買い物して帰って来て、袋から取り出す時のワクワクや
買った物を着て一人ファッションショーする。と言った感じでしょうか。

本当に「天才っっ」と思った訳ではないけれど、
ある意味自分にとって本当に「天才っ」と思い込めた事が今に繋がってるんだと思います。

「何故 昔なのか」

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私は、小・中学を物質的に貧しい外国で過ごしました。
中々手に入らない「made in Japan物」等は
必然的に大事に大事に使う生活をしてました。
その後
日本で生活するようになりましたが、
物があふれていて欲しい物はなんでも手に入り、
知り合う人数も半端では無く、何かウワベ的な感覚を持ちながら生活をしてる所に
「きん」との出会いが合った訳なんです。

高校生の頃、国語の授業で聞いた
「現代では物質的には豊かになったが、精神的に貧しくなった」
と言うフレーズを思い出しました。

きっと思い出したのには
昔の限られた生活の中で、大事にする。工夫をする。と言った部分が
小さい頃過ごした環境と重なったのかも知れません。

やらされて「やる」のではなく
それしかないから知恵しぼって「やる」が自然な形なんだと思います。

そんな生活を経験して来た明治、大正生まれのおばあちゃんたちと
私たちはぎりぎり接する事がまだ可能です。
そんな心の持ち方をしてた時代はついこの前!!と思うと、なんだか嬉しくなります。

そんな時代に生まれた物達は、
暖かみがあり、遊びがあり、工夫があり、懐かしさがあります。
どうせ使うならふだんの生活のなかで生かせてこそ意味があると思います。
飾って楽しむ方法もあるでしょうし、高価な物を普段使いにしたり、生活のレベル、趣味や対する想いによってそれぞれでしょう。
その時代の生活の様子が伺える様な物(勝手な想像もおおいにあり)であったり、
その物を作った時の職人のちゃめっけさが伺えたりする様な物に
惹かれます。

趣味で集めて来た食器等は普段使っていますが、
古い物は二度と生産出来ません。
絶対手放したくない布や骨董品は大事にしまい、たまに表に出して眺めて、
恋する乙女のように幸せを味わっています。

「お店」

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お店では、その他に古民具、生活骨董、作家さんによる和雑貨、洋服、
アフリカ、インドやアジアのアンティークビーズ、オールドパーツのアクセサリー等
販売しております。

職人さんの修行があってこそ、その遊び心は生かされるのですが、
現代ではなかなか昔の職人のような修行をする若者は数少なく、
私も修行を積んでいる訳ではないですが、
私なりの想いで生涯携わって行きたいと望んでいます。

生涯、古い物に携わって行きたい私としては
回りを好きな物で囲み、共感し合える人と楽しく生きて行きたいと願っています。

近くにお越しの際は是非お店にお立ち寄りくださいませ。
心よりお待ちしております。

店主の河路